既婚40歳なのに夢を追うため脱サラした発達障害夫の話

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特にADHD傾向が強い方の場合、永遠のドリーマーであることがあります。

筆者の夫はADHD傾向が強いと診断されたのですが、40歳を過ぎてから脱サラして壮大な夢を追うことにしてしまいました。

ここで筆者と夫の間に起こった経験談をケアラーの観点からまとめていきたいと思います。

既婚40歳なのに夢を追うため脱サラした発達障害夫の話

ADHDは死ぬまでドリーマー

筆者が夫と出会った時から結婚するまで、夫は誰もが憧れる世界的に有名なIT企業で管理職についていました。年収も1500万円ほど、超エリートだったのです。

ADHDあるあるなのですが、学生までは勉強ができたので学歴が良かったり、就職面接に強くてラッキーパンチで有名企業に入れてしまったりするのです。

しかし、企業に入ってから積むことになります。

働きだしてから積む発達障害者は多い

 

夫についてもこのパターンで、たまたまラッキーでエリートになったものの、発達障害も影響して仕事がうまくいかなくなり結局はポジションがないという建前をされて、事実上の解雇に追い込まれることなります。

 

この時結婚して2年目。子供も欲しいし、家も買いたいな、なんて思っている時だったのですが、ここで夫は経歴を活かして転職するのではなく、自分の夢を追いかけることにしてしまいます。

 

その夢は、なんと、映画監督になること。

しかも、インディーズとかではなく、世界的にハリウッドで活躍する監督になりたいというのです。さらに「俺は絶対に成功できる」「俺は何十億も稼ぐ」と真顔で本気で信じているのです。

そういえば、結婚する前に少しそんな話を聞いた記憶もあるけれど、まさか結婚した後にそんな夢を本気で追うことにするだなんて、筆者は思いもしませんでした。 

普通に考えれば、すでに成功している方を見て学んだり、10代から映画の学校に通うなりして、30歳くらいにはすでに芽が出ていないと歯が立たないであろうことは誰でもわかるものです。

 

しかし、ADHDとASDを持つ夫はこだわりが強く、これと信じたら自分を客観視することはできません。認知の歪みとは末恐ろしいものです。これと信じたら、突っ走ってしまうのです。

 

発達障害を持つ夫が拘りを見せ、自信満々で自分を信じ切っているときに、水を差すようなことを言えば「君は僕を信じないのか!妻なのに!」「責任なんてつまらない!」とモラハラ発言を連発してきます。今振り返って書いていても、ドン引きするレベルです。汗

あまりに無責任な振る舞いに、この時点で筆者は崖から突き落とされる思いでした。

 

離婚?修復?夢を追う発達障害夫と、筆者のその後

ケアラーの”あなた”がどうしたいか?で決めよう

結婚して、出産リミットも迫る30代の妻がいるのに、仕事を辞めて映画監督を目指したいという発達障害を持つ夫。

筆者は何度も、三行半をつけて離婚しようとしました。

離婚するかどうかは、発達障害の専門家や弁護士にも相談したりもしました。

カウンセラー1
カウンセラー1

ADHDはそうやって無鉄砲に色々チャレンジするので、その中から当ててしまう人がいることも事実。100%否定するのも違うかもしれないね

カウンセラー2
カウンセラー2

発達障害の人は共感力がないから支えてくれる人に感謝を感じない。彼はずっと自分のことだけ考えて生きていくわよ。さっさと別れた方が良い。少なくともまずは別居してみなさい

こんな感じで色々なアドバイスも、もらいました。

 

筆者はアパートを借りて家出をしたことまでありました。きっとここで、そのまま別れることを選ぶ方もいることでしょう。別れた方が、よかったのかもしれません。

 

しかし筆者は、どうしても離婚することができませんでした。

なぜかというと、発達障害を持っていても、それを超える彼の良い面をたくさん見てきたことに気づいたからです。

 

筆者が発達障害を持つ夫といつまで一緒にいるのかは、今でも、正直、わかりません。

ある日突然、終わりを迎えるのかもしれません。

その時になったら、きっと時が教えてくれるだろう。。と思います。

 

発達障害の夫から学んだ、意外なこと

あるべき論って、誰が決めたの?

発達障害のパートナーを持つ方は、カサンドラ症候群と呼ばれる抑鬱状態や、本格的な鬱病に進んでしまう方もいらっしゃいます。

筆者も、3年間は抑うつが酷く、最悪な時はお風呂に入れなかったり、毎日のように生きたくない。。まで思い詰めていました。鬱だと認定されてその後の生活に影響するのが嫌で精神科には行かなかったのもの、振り返ればいつも、スレスレの状況でした。

 

ここを変える転機となったのが、別居でした。

別居をしてみて、自分の頭のスイッチが大きく変わったのです。

今までは誰かが決めた”人生はこうあるべき”という観念に囚われて、夫を冷静に見ていませんでした。

 

特に日本では、大学を出たら大企業に入って、長く働いて、結婚したら夫が多く稼いで家庭や妻を支えて、子供を持って家を買って、、というテンプレの生き方がマジョリティであり、良いとされています。

筆者自身もサラリーマン家庭で育ちましたから、この生き方しか、知らなかったのです。

しかし世界の動きは加速して進化しており、日本でも数年前では考えられなかったような事態が次々に起こっています。

一生安泰だと思っていた大企業に入っても45歳を境に早期退職優遇制度という名前の首切りに遭ったり、安泰の筆頭だった銀行員が失職したり、少子高齢化による空き家の急増で自宅の価値が上がらず負債になったり、子供を持っても誰もが心身ともに健康だとも限りません。

このような時代では、これまでの常識、あるべき論が、非常識になりつつある、とも言えるでしょう。

 

そして筆者は、夫婦・家族という単位に目が向き過ぎていて、筆者自身の人生を見ていなかったと気づいたのです。

夫は夫の人生を一生懸命生きているのに、筆者はどこか、夫に精神的に依存したり期待し過ぎていたのです。

ADHD・ASDを持つ夫は、愚直なほどに、自分の人生に正直です。彼は、私に合わせることはできません。しかしこのことは、私自身がやりたいこと本当に送りたかった人生を冷静に見つめ直すきっかけをくれました。

もし筆者が定型発達の方と結婚していたら、今頃子供が何人かいて、サラリーマンで、一般的な人生だけだったでしょう。

しかし筆者はこうしてブログを立ち上げたり、仕事で昇進したり、海外に入ったり、さまざまなことをしています。

発達障害の夫は無鉄砲にも思えたのですが、人は人の数だけ、いろんな人生があっていいはずということに気づかせてくれました。

 

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